第41回日本中毒学会西日本地方会開催にあたって

 

 第41回日本中毒学会西日本地方会のテーマは「中毒診療、はじめから終わりまで」としました。中毒診療では病院前から急性期治療終了後まで、多方面の対応が求められます。しかし、救急医である私は急性期診療以外の部門の活動を知る機会は限られており、その他の部門でも同様の状況にあるのではと感じておりました。そこで会長企画として、病院前での予防や救護、急性期診療、急性期治療終了から精神科治療について幅広く取り上げ、特別講演では、「地下鉄サリン事件のその後」について、聖路加国際病院の石松伸一先生にご講演いただくこととしました。これらは、私自身が以前より興味があった点であり、本会を機会に是非拝聴したいと考えたものです。

 COVID-19感染拡大の冬であり安全を第一に考え、本会はWEB開催という、閲覧形式での実施としました。このような変則開催にも関わらず、多数の方より演題応募をいただけたことは、感謝に堪えません。従来の学会と異なり、WEB上でのスライド公開ですので、ご自分の都合のいい時間で閲覧していただくために、会期を長く設定致しました。しかし、費用の問題などから、参加方法が複雑になってしまった点、リアルタイムでの質疑応答が出来なかった点など課題も多く残りました。質疑に関しては誠に申し訳ありませんが、個々の演題に対してご質問がある場合、演者に直接連絡いただきますようお願いいたします。最後になりますが、開催にご協力いただいた皆様、運営に携わっていただいた皆様、誠にありがとうございました、そしてたくさんの皆様にご参加いただきますようにお願い申し上げます。

2021年1月吉日

第41回 日本中毒学会西日本地方会 会長 森田正則
堺市立総合医療センター 救命救急科