代表理事挨拶

代表理事 清田 和也

 2021年盛夏の候、須崎紳一郎前代表理事を引き続き、一般社団法人 日本中毒学会の代表理事を拝命いたしました。
 本学会は1982年に関東、関西で第1回の研究会が開かれたのに発し、1986年に東西が合して研究会が開催され、1989年に初めて日本中毒研究会として開催されました。1992年に山下衛先生が初代理事長として選出され、1993年に初めて日本中毒学会として開催されています1)。およそ40年の歴史をもつ、本学会の代表として諸先輩方の積み上げてきたものを更に発展させていくべく微力ながら努めさせて頂きます。
これからもこれまでの事業方針を継承し、持続可能な学会運営を行うべく、会員の皆様のご支援をお願いいたしたく存じます。
 その上で本学会のとりくむべき現状の課題について述べさせていただきます。
・学会の活性化
 本学会は医師だけでなく、多職種の会員から構成され、中毒学について職種を超えた議論と連携が行われているのが特長です。この多職種の特長を大事に活かしつつ、更にはまだ構成比率の低い看護師の方々などを増加させるなどの方策で発展させる必要があります。広報委員会、連携委員会などの活動を更に活発にしていければと思います。
・収支構造の改善
 持続可能な学会運営を行うには収支構造を安定化させることも必要です。この為には前項にも関わりますが、会員数の増加を常に意識していくことが重要です。また、コロナ禍で普及した会議のオンライン化はコロナ後も基本的な枠組みとして継続し交通費などの節減を図ること、かねてからの懸案である学会誌の電子ジャーナル化を進めることも今後引き続き議論を進めていく課題と認識しています。
・国際化の推進継続
 本学会の国際化については、IUTOXの再加盟など既に取り組まれているところですが、
更なる推進を行うため国際委員会を活性化させ同委員会を中心に国際学会との交流を進めていきます。
・学会50回記念事業
 学会30回記念の鼎談における黒川顕第4代理事長の言1)のとおり、複雑な変遷を経ての回数のカウントであり、2028年に迎える学会は第50回であり、50周年記念ではありません。しかし、記念すべき50回にむけて記念誌の発行などの事業を行うべく、学会50回記念事業準備・特別委員会を立ち上げ準備を行うこととします。
 
以上について、ご承知の通り代表理事のみでは解決できることではありませんので、理事の皆様、会員の皆様のご支援、ご協力を賜りながら進めて参りたいと存じます。
 
<文献>
1) 黒川顕.本学会の30回記念鼎談の座長をして. 中毒研究 22:109-12,2009
 

2021年9月
代表理事 清田 和也