日本中毒学会 薬毒物分析プラットフォーム(JSCT-TAP)とは
薬毒物分析は中毒診療における曝露量の評価、確定診断に不可欠ですが、 ⾃施設での機器分析による薬毒物分析は困難であり、外部委託も容易ではありません。そのため,薬毒物分析が実施されず中毒の実態が⼗分に把握されないまま放置されてきた事例が少なくないと推察されます。
日本中毒学会分析委員会では、このような現状を改善すべく「⽇本中毒学会 薬毒物分析プラットフォーム(JSCT-TAP)」を構築し、持続可能な分析体制を⽬指します。
JSCT-TAPでは、日本中毒学会分析委員会が窓口となり、分析依頼施設(医療施設)と分析担当施設のマッチングを行います。分析担当施設と依頼施設との間で、分析内容、スケジュール、費用、契約等の条件が整えば、分析が実施されます。
JSCT-TAPは外部委託検査会社に代替する「緊急検査サービス」ではなく、主として学術的・補完的な分析支援の仕組みです。臨床および法医学領域における薬毒物分析を支援し、中毒医療の質向上と学術活動の活性化を図ることを目的としています。
(中毒研究 2026;38:402-406 もご参照ください)

マニュアル・分析依頼情報シート
●運用マニュアル (PDFのダウンロード)
●検体輸送マニュアル(PDFのダウンロード)
●分析依頼情報シート(PDFのダウンロード) (Wordのダウンロード)
分析依頼~報告までの流れ
必ず「運用マニュアル」、「検体輸送マニュアル」をご確認ください。
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依頼
上記より「分析依頼情報シート」をダウンロードし、必要事項を記入のうえ、下記2名宛てにメールにてご依頼ください。
メール送付先:
岩手医科大学法科学講座法医学分野 森川 剛 gomorikw@iwate-med.ac.jp
山形大学医学部附属病院薬剤部 山口 浩明 hiroaki.yamaguchi@med.id.yamagata-u.ac.jp
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分析委員会が受託施設を調整して決定
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受託側(分析担当施設)から依頼側に条件提示
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依頼側と受託側で契約書を締結
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検体を指定ラボへ発送する(輸送マニュアルに準拠)
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分析を行い,報告書を作成
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依頼側へ報告する
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依頼側から受託側へ費用支払い
分析の概算費用
分析費用は,各分析担当施設との契約内容に基づいて決定され,原則として依頼者側の負担となります。以下に一般的な費用の目安を示しますが,実際の金額は依頼内容や施設ごとに異なる可能性があることを,あらかじめご了承ください。なお,「1件」とは1薬物検体1点を指し,複数の薬毒物や複数検体を依頼する場合は,その数に応じて費用が加算されます。
| 分析依頼内容 | 概算コスト |
|---|---|
| GC-FID法やHPLC-UV法等による簡易な定量分析(メタノール,アセトアミノフェン,サリチル酸,ブロモバレリル尿素,カフェイン,ジフェンヒドラミンなど) | 1件5,000円 |
| MSによる定量分析(1物質;バルビツール酸,ベンゾジアゼピン系薬,三・四環系抗うつ薬,エチレングリコール,乱用薬物,農薬,工業用品,自然毒など) | 1件20,000円 |
| GC-MS, LC-MS/MS, LC-TOF/MS等による定性分析
(複数薬毒物のスクリーニング) |
1件50,000円 |
注1:費用には消費税を含まない
注2:輸送費は依頼者負担
倫理面について
- 研究目的を兼ねる場合(学会発表・論文化等を予定する場合)は、依頼施設側において倫理審査委員会の承認を得ていただくことが望ましいです。
- 依頼施設は、検査依頼書、検体ならびに分析依頼情報シート及び検体において、氏名・生年月日・医療機関内部ID等の直接的な個人情報を記載しないでください。
- 匿名符号番号と検体ラベルの整合性は、依頼施設が責任をもって管理してください。
- 分析担当施設は、匿名化された情報・検体のみを取り扱うことを原則とします。
FAQ
本プラットフォームは現在、試行段階での運用を行っております。
ご質問・ご意見等に関するお問い合わせは、下記メールアドレスまでご連絡ください。
いただいた内容は、正式運用開始時のFAQ整備および運営方針検討の参考とさせていただきます。
岩手医科大学法科学講座法医学分野 森川 剛 gomorikw@iwate-med.ac.jp
